聞き違い
何年か前、人間ドックに入った時のことでした。
男も女も同じ検査衣を着せられると、どんな紳士・淑女も
ただの人。囚人のように検査の列に並びます。
銀行のATM、はたまた地下鉄の券売機、並んだ場所が
運不運。人によっては渋滞もいたします。
検査助手の方の説明は大変慣れていらっしゃるために、
電話の音声ガイダンスのように聞こえます。初めて経験
する人も多いので聞き違いもあるでしょう。
身長測定の時でした。
「スリッパを脱いでそのまま足型の上におあがり下さい。」
そのご婦人はスリッパを脱ぎ、足型の上にそれを揃えて
上げました。そこで一瞬、時が止まったのです。
測定器の足型に乗っているこれは何?
一番考えたのはスリッパかもしれません。
私はどうなっているのかしら。こんなに多くの眼で見つめ
られたのは初めてよ。ひょっとしてここが私のお立ち台?
そうよ、履かれてばかりじゃつまらない。次は体重測定ね。
ところで、なかなかアレが下りて来ないけど。
ご婦人はやっと自分のしたことに気づき、自分から笑って
下さったので周囲も大いに弾けることができました。
カラダもココロも一人さん。健康診断の季節です。
みなさま聞き違いのなきように。
店員T
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